マインドフルネス呼吸法をやってみた~応用編~
マインドフルネス呼吸法実践への意欲増幅
当ブログでは、過去2回にわたりマインドフルネスの基礎的な呼吸法と、睡眠の質改善効果についてお話しました。
今回は、マインドフルネス呼吸法による『ネガティブ思考のループ』から抜け出す効果(←当初の導入目的)と、呼吸法の応用編をご紹介します。
応用編といっても、基礎編よりも難しいというわけではありません。
呼吸法は様々なやり方があり、みなさまの生活リズムに合ったやりやすい方法を見つけていただくために書かせていただきますので、気軽にお読みいただければと思います!
(過去2回の基礎編も、是非目を通してみてくださいね!)
さて、筆者が陥っていた『ネガティブ思考のループ』は、非常に頭を悩ます存在でした。
すでに目の前から過ぎ去った仕事での失敗や、満足のいく成果を出せなかったことを何度も頭の中で反芻・後悔し、繰り返すたびにどんどん積みあがるネガティブな考え。
そして未来でも同じような失敗をしたらどうしよう…と恐れている間に、目の前のタスクに集中できず、気付いたらミスをしている…。
以前は、これを睡眠時間中も引きずり、寝ているのか仕事しているのか分からないまま朝をむかえ、再び仕事にいく状態でしたが、それはマインドフルネスの基礎的な呼吸法の導入から1ヶ月で解消されました。
オフィスに向かう電車のなかでその日待ち受ける、自己嫌悪のきっかけとなる『失敗しそうなタスク』を想像し、最寄駅に着いた頃に繰り返していた空えずき(=吐きそうになるが、吐物がない)は、いつの間にか消えていました。
瞑想だの座禅だの言われて、宗教的な修行のイメージと結びつけて不信感をつのらせた筆者でしたが、睡眠の質改善という効果が出たことで、やっとやる気を出し始めたのです。笑
しかし呼吸法導入開始から1ヶ月、依然仕事中に自己嫌悪を発動させるきっかけとなるような出来事があると、引き続き『ネガティブな思考のループ』にはまっていました…。
そこで、何とかマインドフルネス呼吸法の効果を仕事中にも得られないかと、考え始めたのが応用編でした。
基礎編の経験から、マインドフルネス呼吸法が成立する条件(~基礎編Part②~に記載しています!)を抽出し、その条件を忠実に守りつつ、5分間の基礎的な呼吸法以外にもできる方法を探し始めました。
仕事の時間以外で、比較的思考が自由なシーンから、筆者が選ぶ3つのシーンに合わせたオススメ呼吸法を紹介します!
呼吸法開始初に陥りやすいこと
…とその前に…
前置き長くてすみませんなのですが…マインドフルネス呼吸法を始めた初期のころの心得として、陥りやすいこと、およびその対処法を追記させてください。笑
呼吸法実践中に、
「呼吸法ってほんとうにこれであってる…?これで効果あるの?」
という考えが頭に広がり、呼吸に集中できなくなることは誰もが陥る事。
自分の集中が開始まもなく呼吸からそれてしまっていることに気付くはずです。
そんなときは、
「わぁ、できてない!!これじゃあだめだ!!」
と思わず、集中が呼吸からそれてしまっていることに気付いたら、考えていたことを手放し、そっと呼吸に集中し直しましょう。
筆者がまさにそのような状態で、呼吸法を始めてからずいぶん経ちますが、いまだに5分どころか最初の1分も呼吸だけに集中できていない気がします。笑
それでも、
呼吸に集中>別のことを考え始める>意識がそれていることに気付く>そっと考えていたことを手放す>もう一度呼吸に集中
を繰り返してください。
呼吸に集中し続けることも大切ですが、集中の軌道修正もこの呼吸法で培いたい力の一つです。
これからオススメする応用編でも、共通して意識していただきたい重要な点ですので、しっかり覚えておいてください!
シーン①入浴中のマインドフルネス呼吸法
今度こそ応用編の実践方法の紹介です!
最初にご紹介するのは、入浴中に実践する呼吸法。
<入浴中のマインドフルネス呼吸法>
①浴槽にお湯をはる
②お風呂場にタイマーを持って入り、浴槽に足から腰・胴体と順に入っていき、お湯が身体に触れた時の熱の変化に意識を向ける
③手などを動かしてみて、お湯の動く感覚を味わう
④タイマーを5分にセット
⑤動きを止め、深い呼吸をしながら身体の周りのお湯の暖かさに意識を向ける
⑥意識がそれていることに気付いたら、深く吐きながらそれまで考えていたことをそっと捨てて、再び体を触れるお湯の暖かさに意識を戻す
②・③は、自分の身の回りの感覚を研ぎ澄ませるための、準備運動です。
冬場に浴槽から出て包まれる寒さがつらい、という経験がある人も多いのではないでしょうか?
入浴中に呼吸法を実践することによって体温が上がり、いつもよりいくぶんかお風呂場から出た時の辛さが緩和される変化を感じてみてください。
シーン②食事中のマインドフルネス呼吸法
<食事中のマインドフルネス呼吸法>
①テレビを見ながら食事をする習慣のある人は、テレビを消す
(スマホをいじったり、新聞を読む習慣のある人は、それも遠ざける)
②目の前に並ぶ料理を口に入れ、噛むときの弾力や硬さ・柔らかさ、口にあたる感覚、喉を通る感覚を味わうように食べる
③噛むときには、これまでの呼吸法と同じように深い呼吸をする
④意識がそれていることに気付いたら、深く吐きながらそれまで考えていたことをそっと捨てて、再び口の感覚に意識を戻す
※注意※
食べ物がのどに詰まったり、飲み込むのに邪魔になるほど深く呼吸しないように気を付けてください
時間に余裕がある人は、料理を口に入れる前に、どんな色をしているか、料理からゆっくりとうねりながら上がっていく湯気にも注目してみてください 。
シーン③通勤中の呼吸法
最後に、通勤中に実践する呼吸法です。
自宅⇒最寄り駅、もしくは職場の最寄駅⇒職場まで、など乗り物を降りて歩く時に行ってみてください
<通勤中のマインドフルネス呼吸法>
①深い呼吸をしながら、ゆっくりと歩き始める
②手足の小さな感覚に意識を向け、手や足が動いて空気を切る感覚や、足の裏が地面に触れたときの感覚を味わう
③意識がそれていることに気付いたら、深く吐きながらそれまで考えていたことをそっと捨てて、再び手足の感覚に意識を戻す
※注意※
必ず交通ルールを守り、歩行者専用の道路を選んで実践するなど、交通事故に合わないように気を付けてください
職場に向かう途中とだけあって、その日のタスクを思い出して意識がそれてしまいがちですが、そんな時は自分を責めず、④を行いましょう!
実践の効果やいかに!?
いやぁ~、ここまでたどり着くのに、筆者は1ヶ月半かかりましたね…。
どこかというと、
『目の前にタスクがあるときに、自分がネガティブな思考のループに陥っていることに気付き、止めること』
が出来るようになるところまでです。
もう少し言うと、自己嫌悪に陥るような失敗をしたり、会議中に理解できないことがあったときに、
「また失敗した…やだな…みんなもどうせ使えないやつだと思っているに決まっている…あのときもそうだったし…自分はどうs…あAAAぁぁぁぉあぁぁっ!!!!また考えてる!!!はいはいはいストップぅ~!!!」
といった具合に、後半から違うテンションの人が頭の中に登場するような感じです。(どうでもいいですが、筆者の頭の中のイメージでは、小さいおじさんです。笑)
一日に何度も自己嫌悪に陥るようなことがあるたびに、このテンションの違う小人おじさんがカットインするようになりました。
さらに間もなくして、小人おじさんのカットインが早くなり、
「まあいいじゃん☆自己嫌悪に浸るのと、次の改善策を考えるのは別物!さあ、次の一歩のために頭を働かせようぜっ☆」
と言われているような気になってきました。
小人おじさんはあくまで筆者のイメージですので、当然人によって違うと思いますが、
自己嫌悪や執着してしまう思考を止める力が働く習慣がつく、ということなんだと筆者は解釈しています。
ひとつだけ心残りなのは、ネガティブな思考そのものを思いつかない、というのはなかなか難しいということです。
筆者はマインドフルネス呼吸法を取り入れてから、結構な期間が経過していますが、そこまでの境地にはたどり着いていません…笑
ここまで行くには修行を積まないといけないんですかね?笑
とはいえ、筆者のメンタルヘルスはこの時点でかなり改善しましたし、一緒にプロジェクトをやっていたメンバーから、
「準ちゃん、結構明るい子だったんだね!」
と声をかけられるようになり、冗談や愚痴を言う余裕ができました。
本来の自分を取り戻したどころか、より前向きに考えられるようになりました。
ということで、マインドフルネス呼吸法は、メンタルを健康に保つのに、 効果的なトレーニングとして、オススメさせていただきます!!
ネガティブな思考から離れられない人もそうですが、日常でちょっとした生き辛さを抱えている人、肩の力が抜けずこわばっている人、今は何ともないけど興味がある!という人、是非こちらで紹介したやり方を実践し、生活の質が改善するのを感じてみてくださいね!
日本人の心理カウンセリング利用率はアメリカ人の1/40!?
海外ドラマに登場するセラピスト
経営コンサルタントとしての仕事を始めた頃、筆者はとにかく疲れ、メンタルヘルスの状態を悪化させてしまいました。
(詳細は下記リンク参照)
慣れない新しい業務で力を発揮できない状態が続いたこと、担当させてもらったプロジェクトで稀に見るハードワークを強いられたこと…
原因は色々ありました。
筆者は、改善のためにいろんなことを試しましたが、最も効果のある方法を見つけるきっかけとなったのは、実は海外ドラマでした。
―癒し系のドラマでも観たの?
――ではなくて…
―映画のメッセージや、主人公の想いに共感したの?
――そうじゃなくて…
―面白い海外ドラマにハマってるうちに、気がまぎれたんだ!
――いや…(当時の筆者は、落ち着いてテレビを見ていられるような精神状態ではありませんでした)
じゃあ、なんなんだ!と…
わたしが救われた海外ドラマは、ドキドキハラハラの犯罪サスペンスの『クワンティコ/FBIアカデミーの真実』
…心の落ち着きとは対極にあるようなカテゴリーですね。笑
この記事の本題ではないのでさらっと説明すると、主人公である新人FBI捜査官が、FBI研修生としてアカデミーに通う頃から計画されていたテロに巻き込まれ、国を守るために奮闘するというストーリーです。
"My goodness, you came out here to make a good impression, and I turned you into my therapist..."
『まあ嫌だ、あなたをセラピストにしちゃったわね…』
これは、ドラマ内の副大統領兼とあるFBI研修生(男)の母親として登場する女性が、息子の彼女に悩みを打ち明けたあとに、ハッとして放ったこの一言。
セラピスト…?なんだそれ…?
この人は精神疾患などに苦しんでいるようには見えないが、セラピーは心療内科や精神科とは異なり、そういう人でも受診できるものなのか?
このセラピストは今のシーンのように、悩みを打ち明けられるような存在なのだろうか…?
当時自己流のアプローチで上手くいかず、壁にぶち当たっていた筆者は、セラピストという言葉に対して、直感的な希望を覚えました。
『心理カウンセリング』の検索結果に募る不安と不満
日本での一般的な呼び名は、『心理カウンセリング』のよう。
さっそくそのケアを受けられる場所と口コミの良いところをさがしましたが、Google先生が私に出した検索結果の上位には、受けたいものとは違う気がする…というものが多く…。
―スピリチュアルカウンセリング
――…美〇明宏のオーラ診断?前世?
―催眠療法
――コインぶら下げて、あなたはだんだん眠くなる~…?
―心理カウンセラーになるには
――いや、まずは自分のメンタルヘルスを整えてからでw
―女性の抱える問題解決をお手伝い(恋愛、離婚)
――仕事やこれからのキャリアに関する不安もあるため、もう少し幅広い分野で相談したい…
―心理カウンセリングの口コミサイトに上位に掲載されている『借金返済などの金融問題相談所』
――ジャンル違う、精度低すぎ。笑
―治療内容『除霊』
――もうおなかいっぱいです…。
その他にも、近しい気はするもののカウンセラーが掲げている資格がまちまちで、結局どの資格を持った人のところに行ったらよいのか分からず…。
(筆者は結局。臨床心理士の資格を持ち、キャリアカウンセリングにも対応可能な肩を選びました)
このとき、本当に心理カウンセリングは自分に必要なケアなのか、はたまた相談に行っておかしなことに巻き込まれないか、とても不安な気持ちになりました。
日本でいまだ浸透しないメンタルヘルスケアの重要性
少し社会全体の実態にも目を向けてみたいと思います。
厚生労働省は『労働者の心の健康保持増進のための指針』の中で、メンタルヘルスに必要な『4つのケア』と呼ばれるものを示しています。
簡単にまとめると…
<4つのケア>
①セルフケア:労働者自身が行うケア
自身のストレスに気付き、正しく予防、対処すし、会社がそれを支援すること
②ラインによるケア:会社の管理監督者が行うケア
職場の労働環境を把握・改善に努め、部下などからの相談に対応すること
精神疾患を抱え休職などを経た部下の職場復帰を支援すること
③事業所内産業保健産業スタッフ等によるケア:産業医や会社の人事労務スタッフなどが行うケア
①②がちゃんと実施されるように支援し、メンタルヘルスの健康が保たれるような計画を考えること
④事業所内産業保健産業スタッフ等によるケア:会社外にある専門機関などが行うケア
専門機関などが労働者個人/会社にサービスを提供すること
③への助言・支援をすること
筆者が希望を持った心理カウンセリングは、おそらく①の具体的な方法として④を使った、ということになると思います。
筆者が勤めている会社にも②、③はあるのですが、どうも会社とつながっていると思うと気が進みませんでした。
同じように抵抗を感じる人は、少なくないのではないでしょうか?
そういう気持ちを会社の取り組みとしてなくすことも大事ですが、まずは自分でできることを探すのも一つの手。
では実際に、メンタルヘルスのセルフケアを実施している人はどのくらいいるのでしょうか。
とある調査によると、まず体やメンタルに気を遣っていると答えた人は全体の59%
その中でもメンタルに気を遣っている人は26%、病気予防の半分もいません。
(1、2出所:オウチーノ総研『2015.1.26 ビジネスパーソンの「セルフケア」実態調査)
セルフでメンタルに気を遣っている人は、全体でみると15%程度しかいない、ということになりますね。
メンタルヘルスに配慮する必要がある、という認識が浸透していない証拠だと筆者は受け止めています。
日本においては、まずはメンタルヘルスの悪化を予防し健康を保つことの重要性を知り、そのための有効なアプローチを浸透させる必要がありそうですね。
さらに、この割合と心理カウンセリングの検索結果を考えると、心理カウンセリングの利用者は、5%…いやなんなら1%程度しかいないのではないでしょうか。
じゃあ海外ドラマに出てきたアメリカの例は、副大統領という要職に携わる人だから受けていた、特別な事例なのか…?
他にも筆者が観た『恋するベーカリー』という映画で、元夫との関係に悩む主人公が、日常的にカウンセリングを受けるシーンが描かれていました。
アメリカでの心理カウンセリングの利用率は30~40%程度と聞いたこともあります。
ちゃんとした場所を選べば、セルフケアとして非常に有効なアプローチの一つだと思いますが、なかなか認知されていなかったり、されていても精神疾患を抱える人だけが行く場所だと思われているのかもしれません。
(まあ、それ以前にメンタルヘルスには配慮が必要だという認識が根付いていないの当然ですね…)
いろいろ調べてみると、ネットで受けられる心理カウンセリングなどもあるようですし、選択肢は意外とたくさんあります。
メンタルヘルスの予防的ケアの選択肢が広がることを願って、今後それらもご紹介していきたいと思います。
Googleでも取り入れている!?『マインドフルネス呼吸法』をやってみた~基礎編PART②~
なんだか効果あり気なこの呼吸法
前回に引き続き、メンタルヘルスを整える具体的な方法、マインドフルネス呼吸法についてです。~PART②~からご覧になった方は、下記もご覧いただけますと幸いです!
マインドフルネス呼吸法(要はトレーニングのようなもの)を始めて、はや2週間が経過した頃。
呼吸への集中は開始30秒とも続かず、気付くと全然関係ないことを考えてしまう状態なのも相変わらず…。
その頃は特にハードワークをしていた時期とも重なっていたため、どうしても途中で睡魔に襲われてしまい、5分経過を告げるアラームで目が覚める…なんて日も多く…。
こんな状態で続けていたのでは、毎晩呼吸法を欠かさずやっていても意味がないんじゃ?と思っていました。
ところが3週目後半に差し掛かったある日、とある大きな変化に気づきました。
それまでも、呼吸法を行った後に手足が暖かくなる程度の変化には気付いていたのですが、加えて朝の目覚めがすっきりするように。
今までは、寝ている間に繰り返し同じような恐ろしい夢を見ていました。
やらなければいけない業務を何度繰り返しても失敗したり、Excel作業をしていて完成間近で突然かたっぱしから勝手に消える、などの夢を一晩で繰り返し…。
次の日に経営陣に向けたプレゼンなどがある日は、心配と不安な気持ちを手放せず、寝ていても資料の中身を反芻しているような気持ち悪い感覚で…。
当時は睡眠不足に加えて自己嫌悪な思考の渦に飲み込まれていたため、業務中に成果が出せなかったりミスが重なることが多く、仕事をクビになる夢もしょっちゅう見ていました(なんと恐ろしい夢…)。
夜中に目が覚めてしまうことも頻繁にあり、起きて汗びっしょり疲労困憊、首肩腰が痛く、起き上がると体は泥のように重い、という日々でした。
それが、仕事の夢を見ることなく、一度も目が覚めることもなく朝を迎えられるようになったのです。
「今日は昨日と比べて、目覚めがいいぞ!」
と突然効果を感じたわけではありません。
「あれ、そういえばなんだか最近寝ていて仕事の夢を見ていないかも…朝の目覚めもすっきりしているような…いつからだ…?」
というような曖昧な具合だったので、実はもう少し前から効果は出始めていたのかもしれません。
眠りの質が改善されることによって、少なくとも朝会社に向かうときは前日の疲労状態からは回復して向かうことができるようになりました。
呼吸法の恩恵なのか、仮にそうだとして変化を生むメカニズムがなんなのか相変わらずわからないことだらけでしたが、筆者にはこの呼吸法をもう少し続けてみる理由ができました。
大切なのは、深い呼吸とともに『今ここ』に集中すること
睡眠の質が改善され始めたあと、今までよりも少し効果を期待し始めた筆者は、毎晩5分の基礎的な呼吸法以外でも実践できる方法を模索し始めました。
必要なポイントさえ押さえておけば、通勤・帰宅の時間、出勤前の朝ごはん中、途中休憩のお昼ごはん中、帰宅後の夜ごはん中、さらには入浴中などでも、実践できるのではないかと考えた筆者は、その押さえるべきポイントの抽出に取り掛かりました。
心理カウンセリングに通う以前、失敗に終わった自己流との比較をヒントに、マインドフルネス呼吸法に必要な条件を大きく3つのポイントに整理したので、ご紹介します。
<マインドフルネス呼吸法のポイント(仮説)>
①自分の呼吸をはじめ、今自分の目の前のことに意識を向け続けようとすること
②過去や未来のことなど目の前のこと以外を考えている自分に気付いたらそっとそれを認め、再び目の前のことに意識を向けようとすること
③深い呼吸を繰り返す
このルールを守ればマインドフルネス呼吸法として成立する、という仮説の元、様々なシーンでできる応用法を探し始めました。
『ネガティブな思考のループ』から抜け出す効果もあるのか
PART①・②の両方を読んでくださった方の中には、
「ネガティブな思考のループにはまって苦しんでたんでしょう?そこから抜け出せたとは書いてないじゃん!!結局効果ないの?ここまで読ませやがって!!!」
という方もいるかもしれません…。
確かに、この時点で『ネガティブ思考のループから抜け出す』という心理カウンセリングに赴いた当初の目的に対する効果については触れていません。
実際、筆者は基礎的な呼吸法から1ヶ月でネガティブな思考から抜け出せたわけではありません。
ネガティブな思考ループに対する効果を感じるようになったのは、もう少しだけ先のこと。
多くのトレーニングがそうであるように、マインドフルネス呼吸法においても、効果がその実践期間に依存することは間違いないでしょう。
ただ、その効果が出るタイミングの早い遅いの個人差はあるでしょうし、必ず誰にでも効果がある、と断言できるものはありません。
少なくとも、筆者の極度なネガティブ思考のループの緩和を感じたのは、上記の仮説に基づいた呼吸法の応用方法を考え、実践し始めた頃からでした。
もう少し長い期間実践した結果と、『ネガティブな思考から抜け出す』ことにどのように効果が表れたのかについても触れていきます。
自分に合ったやり方を見つけるヒントになればと、無理なく続けられる応用トレーニングのやり方についても合わせてご紹介しますので、ご興味のある方は引き続きこのブログにお付き合いいただけますと幸いです。
まずは、眠りが浅い、寝て起きても疲れが取れないなど、睡眠の質に改善が必要とお考えの方は、マインドフルネス呼吸法を試してみてください!!
今一度、やり方は以下の通りです。
<マインドフルネス呼吸法のやり方>
① 落ち着ける居心地の良いスペースを見つけて座る
②アラームを5分にセット
③息をゆっくり深く「吐く・吸う」で1セット
④ 吐くときは4つカウントし、吸う時も同じように4つカウント。それをセットで4回繰り返したら1に戻る
⑤呼吸に集中し、何か考え・感情・イメージ・記憶が浮かんできたら、とにかくそのことを深く考えず、イメージの中で流す
Googleでも取り入れている!?『マインドフルネス呼吸法』をやってみた~基礎編PART ①~
今日は、メンタルヘルスを整える具体的な方法について触れていきます。
…と、その前に自己流の失敗談
筆者は、メンタルの状態が悪化していることを自覚してから、始めのうちは自己流で解決しようとしたのですが、なかなか上手く行きませんでした。
始めのアプローチは、
『自分がマイナスな思考に陥ってしまっていることと、それが良くないということを自覚し、やめるように心がけること』でした。
悪化は、じわじわとではあったものの3ヶ月という短い期間に起きたので、そうなる前の自分を思い出せたことが幸いしたのか、自覚はしやすかったと思います。
ただ、よくない思考パターンに陥っていることを自覚することは出来ても、肝心のやめる、ということに関しては心がけだけでは達成できませんでした。
「その思考は良くない!続けちゃダメだ!!!」
と念じても、気付いた時には
「あー、なんで止められないんだろう…?だめだ…自分はだめだ…」
と、マイナスな思考を向ける矛先が変わるだけで、負の連鎖から抜け出せない状態は変わらず…。
次に試したアプローチは、とにかく強制的に
『考えちゃだめだ!!!!』と頭の中で唱え続ける、というものでしたが、それ以外のことを同時に考えられず日常生活に支障をきたすという決定的な欠陥が発生したので、やめました。笑
一連の失敗から、心だけで心を制すことは出来ないということ、そしてどうやれば最初のアプローチで立てたような心がけを体現出来るのか?という問いの答えを探す必要がある、という気付きを得たところで立往生…。
結局、解決策を考える場を臨床心理士の方とのカウンセリングへと移しました。
カウンセリングで知った『マインドフルネス』という状態と得体の知れない呼吸法
今思えば、カウンセリングの場での最大の収穫は、『マインドフルネス』という(当時の筆者には)聞きなれない『人間の状態』と、その状態に近づくために実践するトレーニングのような呼吸法があるということを知ったことだと思います。
…とはいえ、はじめからその呼吸法の効果を信じていたわけではありません。
「グーグルなどでも取り入れている呼吸法で、瞑想のようなものです」
と説明されて引っかかる点だらけなのは筆者だけではないはず笑
「…は?瞑想?グーグルはそんなことやってんの?あー、大手の対外的なアピールかつ形骸的な取り組みか…ストレスチェックの類いか…。つーか瞑想ってなんだ…宗教的な修行?現代IT社会の先導者の一員であるグーグルのイメージとマッチしないんですが…。プラシーボ効果(=本来は効果のない薬でも効くと思って飲んだら症状が改善する、などの事象)のようなものなのだろうか…」
というのが第一印象でした。
日頃から、科学的な根拠が立証されているものを是としがちな性格の持ち主なので、瞑想だの座禅だの、東洋的なイメージを彷彿とさせるものや、なんで効果があるのかよく分からないものをすんなりと受け入れるのは、筆者にとっては難しいことでした…。
とりあえずやってみた、マインドフルネス呼吸法
半信半疑MAX!!!といった具合でしたが、カウンセリングで教わった基礎的な呼吸法を試してみることに。
こんなに疑っていても、まあやってみるかと思えたのは、これしかその時点でできることがなかった、というのもあるのですが、簡単に始められる、ということも大きく影響していたでしょう。
この呼吸法のためにまとまった時間を割いたり、特別な道具を準備する必要はなく、身一つですぐに始められる、というのが特徴の一つです。
それではさっそく基礎的なやり方を説明していきます。
<マインドフルネス呼吸法のやり方>
① 落ち着ける居心地の良いスペースを見つけて座る
②アラームを5分にセット
③息をゆっくり深く「吐く・吸う」で1セット
④ 吐くときは4つカウントし、吸う時も同じように4つカウント。それをセットで4回繰り返したら1に戻る
⑤呼吸に集中し、何か考え・感情・イメージ・記憶が浮かんできたら、とにかくそのことを深く考えず、イメージの中で流す
どうでしょう、本当に身一つと座れるスペースさえあれば始められるでしょ?笑
ひとつだけ注意が必要なのは、⑤です。
呼吸にカウントを付けて行うのは、今自分がしていること(=呼吸)や今この瞬間に自分の身体の中やその周りで起きていることだけに集中させるためのようなのですが、気付くと今目の前で起きていることとは違うことについて思いを馳せてしまっているのです。明日の会議のこと、まだ残っている仕事の内容、明日は失敗しないか心配、などなど…。
それこそ筆者がこの呼吸法を始めたころは、今自分がしている呼吸やその瞬間に起きていることに集中できている時間は、開始してから30秒も持っていませんでした。笑
肝心なのは、自分が意識を集中させるべき呼吸以外のことを考えてしまっていることに気付いたら、そのことを深く考えすぎず、そっとその事実を認めてまた呼吸に集中しようとすることです。
⑤で、イメージの中で流す、と書きましたが、オススメされたのは小川を流れる落ち葉に、考えてしまった関係のないことを乗せて流してしまうイメージを頭の中で浮かべる、というものでした。
ただ、筆者の場合は、関係のない考えがゆっくりと流れる落ち葉に乗って、いつまでも視界に入って気になってしまうイメージを持ってしまったので、高速道路を走る車に乗せてばびゅんっ!と飛ばしてしまうイメージにアレンジしました。笑
関係のないことを考えている自分に気付いた時、変にそれは良くないことだと責めたり何らかの判断を下すと、またそこから思考が派生してしまうので、そっと高速道路に乗せてばびゅんっ!と飛ばしてしまうことが重要です。
高速道路に 関係のない考えを乗せても、また次の考えが現れ、浸り、ふと関係のないことを考えていることに気付き、そしてまた高速道路に乗せる…5分間それの繰り返しです。
呼吸法はいつやってもいいようなので、筆者は就寝前の習慣として毎日実践するようにしました。
たった5分の間でも、今自分がしている呼吸やその瞬間に起きていることに集中できている時間がほとんどなくて、本当にこれでいいのか、やり方は間違っていないか、と考えてしまう(それがまた関係のないことを考える始まりでもあるんですが笑)のですが、初めてやったその日から、実は体にある変化が現れました。
5分間のトレーニング後にはなぜか手足が暖かくなっていました。
その時点で、気持ちがとても楽になった、というようなものではないのですが、少なくとも身体的に悪い状態ではなさそうだったので、そのまま毎日続けることにしました。
...PART②へ続く
免責事項
当ブログに掲載されている情報は、可能な限り正確性を確保するよう努力しておりますが、必ずしも正確性や適切性を保証するものではございません。メンタルヘルス改善のための治療、トレーニングに関する記事は、あくまで筆者の経験や見解に基づき掲載するものであり、第三者に同様の効果が出るとは限りません。
また、当ブログは作者個人の見解を述べたもので、極力蔑視用言は避けておりますが、場合によっては気分を害されることがあることをご了承ください。
なお、当ブログの情報を用いて生じたいかなる病状の変化、その他一切の行為・損失に対しては、一切責任を負いかねます。
内容に問題がある場合、告知無しに情報を変更・削除する場合がございます。
よろしくお願いいたします。
メンタルヘルスの不調は自分でも気づかないうちに起きている
メンタルヘルスの不調は、もともと心が弱いなどの特徴を持った人の問題ではなく、ストレスを引き起こすような出来事、それも誰もが直面しそうな出来事をきっかけに抱えてしまうものではないかと思っています。
筆者も、無自覚のうちにメンタルヘルスの不調に苦しんでいた時期がありました。
頭をめぐる「今車にひかれてしまえば楽に…」という思い
筆者は大学卒業後、大手通信会社での短い就業期間を経て、戦略系コンサルティングファームに転職しました。
やっとやりたいことが見つかり、希望通りの職に就けたことで意気込んでいた頃、私はとあるプロジェクトを担当することになりました。
初めての経験に緊張はしていたものの、もともと嫌なことがあっても寝てしまえば忘れるような性格だったので、今回もきっと今まで通り乗り越えていけると思っていました。
始まってみると、空が白んでくる明け方までの作業、タクシーで帰宅してまた朝9時に出社、土日も出社というハードな生活が待っていました。(このときのプロジェクトは特別ハードなもので、毎回同じような生活スタイルになるわけではありません)
はじめのうちは体力もあり意気込みもあったので、早くこの生活に慣れて成果を出せるようになりたいと思っていました。
しかし、慣れない業務で全く戦力になれない状況が続き、少しずつ不安感や自己嫌悪が募り始めました。
そんな生活が1か月ほど続いた頃、足のむくみや突然顔に広がっては消える蕁麻疹などの身体的な症状に悩まされ始めました。
睡眠不足で働いていたのが原因と思い、休日にゆっくりして回復させようとするのですが、なんだか落ち着いて休むことができません。
不安感や自己嫌悪が浮かんでは消えを繰り返し、寝ているときでさえ夢の中で同じ感覚に悩まされ、起きた時にはどっと疲れていました。
休日が明けても疲労感を引きずり、徐々にケアレスミスが増え、会議などでも人の言葉が理解できなくてパニックに…。
それがさらに自己嫌悪を加速させまた失敗したらどうしようと恐怖を感じ、とめどなく湧き上がるその感情にとらわれているうちに、「あれ、私今なにしてたんだっけ?」とまたケアレスミス…という負の連鎖に陥っていました。
今こうして振り返ってみると、この時点でメンタルの状態はかなり悪くなっていたとわかるのですが、
『ここで休んだら、さらに周囲に戦力にならないと思われるから、耐えて頑張らなきゃ』
『でも休みたい』
『でもこれだから女子(あ、筆者は女です)は戦力にならないと思われるネタを作るのはいやだ』
『でも辛い…』
という考えが無限ループしていました。
そして、休むという選択肢を何度も繰り返し否定するうちに、
『(電車やタクシーが走っているのを見て)この瞬間誰かに押されて飛び込んだりしちゃえば、自分で弱音を吐くことなく、自分の過失を問われることなく休めるんじゃないか…?』
という考えが頻繁に浮かぶようになりました。
そのときの無限ループが見事に表現されているマンガを見つけたので、こちらも合わせて読んでみてください。(これを読んだときは、「自分が経験したのは、まさにこれだ!!」と感動してしまいました)
ふと気付く、『自分はいつの間にこんな状態に…?』
そんな日々が3か月程度続いたある日、猛烈な頭痛、吐き気で目覚めました。起き上がって会社に行こうとしたものの、なぜかどうしても靴を履くことができず、ついに泣きじゃくりながら上司に休みの連絡を入れました。
そこから先のことはよく覚えていませんが、起きたら夜になっていて、久しぶりに体がすっきりしていました。
自分でも驚いたのは、「別に一日休んだくらいで何を失うことがあろうか。今まで苦しみに耐えてきたのに、ここで車にひかれて痛い思いでもしたら、報われない、むかつくわ」という考えが頭に浮かんだことでした。
むしろ、それまでネガティブな方ではないと自負していた筆者は、本来の自分の思考パターンはこっちに近く、いつの間に昨日までのような思考パターンに陥ったのだろうか、と恐ろしくなりました。
そこで初めて自分の状態が異常であるということに気付くのですが、それを解決させるためにどうしたらよいか分かりませんでした。
なんとなく心理学の本でも読むべきか、と考えますが、その時点では本を読む体力や文字を追う理解力も失っている上に、心理学といっても広い…。
とはいえ病院に行くほどでもないような気もするしなんとなく恐い…
そのときは結局グーグル先生を頼り、いろんな言葉で検索し、やっとたどり着いたのが『心理カウンセリング』でした。
どう回復に向かっていったのかは、今後のブログに回しますが、その後2度お話を聞いていただきながら自分の認知(物の捉え方)の歪みに気付いてからは、改善に向けて少しずつ日常で実践できるようなことを習慣として取り入れていき、少しずつ心身ともに余裕を感じるようになりました。
どれもこれも、始めから知っていたらこんなに苦しむこともなかったのに…というものばかりでした。
当ブログの執筆は、筆者のこのような経験をきっかけとしています。
今メンタルヘルスに問題を抱えていない方もたくさんいらっしゃると思います。
ですが、筆者のように突然ストレスにさらされるような出来事が訪れない保証もないはずです。
すでに日常のストレスを感じている人もそうでない人も、現代社会のライフハックとして、メンタルヘルスを整える、ということに意識を向けてみてはいかがでしょうか。
はじめのご挨拶
こちらのブログにお越しくださいましたみなさま、はじめまして。
お訪ねいただきまして、誠にありがとうございます。
本日より、ブログ『準の、心はたしなむ程度です』を書かせていただきます準(jyun)です、よろしくお願いします。
記念すべき初投稿でもありますので、まずは簡単に自己紹介も兼ねてブログ執筆の経緯を簡単にお話させていただきます。
ここ最近、うつ病をはじめとした精神疾患を取り扱うニュース番組や記事などのメディアを目にする機会が増えているように感じます。
特に電通の新入社員の方が自殺され、ご遺族の訴えを受けて労災と認められた出来事をきっかけに、労働問題と絡めた内容を目にする機会が増えました。
これらの情報を見て、現在すでに心療内科や精神科の受診、カウンセリングなどを受けている方以外で、自分にも関係のあることとして感じたことのある人はどれだけいるでしょう。
少し前までの筆者にとって、うつ病や精神疾患の存在こそ知り、その症状で苦しむ人を目にする機会はあったものの、自分に起こりうることとして気にかけたことはありませんでした。
そんな私が、
◇とある出来事をきっかけに、メンタルヘルスの状態を悪化させてしまったこと
◇悪化に気づいてからは、苦しみを取り除きたい一心で解決策をいろいろ探したこと
◇状態の緩和につながった取組は、どれも日常のちょっとした心がけとして簡単に始められるもので、知っていれば悪化は事前に回避できたかもしれないと感じたこと
◇簡単に始められるものばかりだった一方で、正しい知識と対処法を身に付ける機会がこれまでの人生であまりに少なかったこと
といった気付きから、メンタルヘルスに関するリテラシーを培えるような、そして精神疾患などを予防の観点から考えてみるようなきっかけとなる場があったらどうだろうか、と思うようになりました。
私は、普段は経営コンサルタントとして働く身で、メンタルヘルスを専門に扱う精神科医や臨床心理士などではありません。
ただ、会社への宮仕えの苦労やストレスを味わう私の立場で、メンタルヘルスのリテラシーを高めるために学び取り入れたこと、それらを通して考えることを共有することで、興味を持つきっかけを作ることならできるのではないかという思いで、このブログを始めることにしました。
今の時代は、メンタルヘルスというと世の中で起きている悲しい事件の影響か、重苦しく暗いイメージを持ちがちです。
でも正しい知識や対処法を知ることは、明るい人生を送るためのツールで、メンタルヘルスの暗いイメージを持つのはおかしな話ですよね。
よく、お酒は飲めるのか聞かれた女性が、
「たしなむ程度に笑」
と、得意げな顔で答えるシーンを目にしませんか?笑
女性がお酒を飲むことが公ではなかった時代もあるようですが、今ではもうそんな時代でもないですよね。
そんな具合に、心が「たしなむ程度に笑」と得意気に答えるような話題になることを願って、誰にでも興味を持ってもらえるようなブログを書いていけるよう頑張りたいと思います!
どうぞよろしくお願いいたします。
準(jyun)