準の、心はたしなむ程度です

メンタルヘルスィ~を目指す人を応援するブログ

日本人の心理カウンセリング利用率はアメリカ人の1/40!?

海外ドラマに登場するセラピスト

 

経営コンサルタントとしての仕事を始めた頃、筆者はとにかく疲れ、メンタルヘルスの状態を悪化させてしまいました。

(詳細は下記リンク参照)

jyun-ct.hatenablog.com

 

慣れない新しい業務で力を発揮できない状態が続いたこと、担当させてもらったプロジェクトで稀に見るハードワークを強いられたこと…

原因は色々ありました。

 

筆者は、改善のためにいろんなことを試しましたが、最も効果のある方法を見つけるきっかけとなったのは、実は海外ドラマでした。

 

―癒し系のドラマでも観たの?

――ではなくて…

 

―映画のメッセージや、主人公の想いに共感したの?

――そうじゃなくて…

 

―面白い海外ドラマにハマってるうちに、気がまぎれたんだ!

――いや…(当時の筆者は、落ち着いてテレビを見ていられるような精神状態ではありませんでした)

 

じゃあ、なんなんだ!と…

 

 

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わたしが救われた海外ドラマは、ドキドキハラハラの犯罪サスペンスの『クワンティコ/FBIアカデミーの真実』

  

…心の落ち着きとは対極にあるようなカテゴリーですね。笑

この記事の本題ではないのでさらっと説明すると、主人公である新人FBI捜査官が、FBI研修生としてアカデミーに通う頃から計画されていたテロに巻き込まれ、国を守るために奮闘するというストーリーです。

 

 

 

"My goodness, you came out here to make a good impression, and I turned you into my therapist..."

『まあ嫌だ、あなたをセラピストにしちゃったわね…』

 

これは、ドラマ内の副大統領兼とあるFBI研修生(男)の母親として登場する女性が、息子の彼女に悩みを打ち明けたあとに、ハッとして放ったこの一言。

 

セラピスト…?なんだそれ…?

この人は精神疾患などに苦しんでいるようには見えないが、セラピーは心療内科や精神科とは異なり、そういう人でも受診できるものなのか?

このセラピストは今のシーンのように、悩みを打ち明けられるような存在なのだろうか…?

 

当時自己流のアプローチで上手くいかず、壁にぶち当たっていた筆者は、セラピストという言葉に対して、直感的な希望を覚えました。

 

『心理カウンセリング』の検索結果に募る不安と不満

 

日本での一般的な呼び名は、『心理カウンセリング』のよう。

さっそくそのケアを受けられる場所と口コミの良いところをさがしましたが、Google先生が私に出した検索結果の上位には、受けたいものとは違う気がする…というものが多く…。

 

―スピリチュアルカウンセリング

――…美〇明宏のオーラ診断?前世?

 

催眠療法

――コインぶら下げて、あなたはだんだん眠くなる~…?

 

―心理カウンセラーになるには

――いや、まずは自分のメンタルヘルスを整えてからでw

 

―女性の抱える問題解決をお手伝い(恋愛、離婚)

――仕事やこれからのキャリアに関する不安もあるため、もう少し幅広い分野で相談したい…

 

―心理カウンセリングの口コミサイトに上位に掲載されている『借金返済などの金融問題相談所』

――ジャンル違う、精度低すぎ。笑

 

―治療内容『除霊』

――もうおなかいっぱいです…。

 

その他にも、近しい気はするもののカウンセラーが掲げている資格がまちまちで、結局どの資格を持った人のところに行ったらよいのか分からず…。

(筆者は結局。臨床心理士の資格を持ち、キャリアカウンセリングにも対応可能な肩を選びました)

 

このとき、本当に心理カウンセリングは自分に必要なケアなのか、はたまた相談に行っておかしなことに巻き込まれないか、とても不安な気持ちになりました。

 

日本でいまだ浸透しないメンタルヘルスケアの重要性

 

少し社会全体の実態にも目を向けてみたいと思います。

 

厚生労働省は『労働者の心の健康保持増進のための指針』の中で、メンタルヘルスに必要な『4つのケア』と呼ばれるものを示しています。

 

簡単にまとめると…

 

<4つのケア>

①セルフケア:労働者自身が行うケア

自身のストレスに気付き、正しく予防、対処すし、会社がそれを支援すること

 

②ラインによるケア:会社の管理監督者が行うケア

職場の労働環境を把握・改善に努め、部下などからの相談に対応すること

精神疾患を抱え休職などを経た部下の職場復帰を支援すること

 

③事業所内産業保健産業スタッフ等によるケア:産業医や会社の人事労務スタッフなどが行うケア

①②がちゃんと実施されるように支援し、メンタルヘルスの健康が保たれるような計画を考えること

 

④事業所内産業保健産業スタッフ等によるケア:会社外にある専門機関などが行うケア

専門機関などが労働者個人/会社にサービスを提供すること

③への助言・支援をすること

 

筆者が希望を持った心理カウンセリングは、おそらく①の具体的な方法として④を使った、ということになると思います。

 

筆者が勤めている会社にも②、③はあるのですが、どうも会社とつながっていると思うと気が進みませんでした。

同じように抵抗を感じる人は、少なくないのではないでしょうか?

 

そういう気持ちを会社の取り組みとしてなくすことも大事ですが、まずは自分でできることを探すのも一つの手。

 

では実際に、メンタルヘルスのセルフケアを実施している人はどのくらいいるのでしょうか。

 

とある調査によると、まず体やメンタルに気を遣っていると答えた人は全体の59%

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その中でもメンタルに気を遣っている人は26%、病気予防の半分もいません。

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(1、2出所:オウチーノ総研『2015.1.26 ビジネスパーソンの「セルフケア」実態調査)

 

セルフでメンタルに気を遣っている人は、全体でみると15%程度しかいない、ということになりますね。

 

メンタルヘルスに配慮する必要がある、という認識が浸透していない証拠だと筆者は受け止めています。

日本においては、まずはメンタルヘルスの悪化を予防し健康を保つことの重要性を知り、そのための有効なアプローチを浸透させる必要がありそうですね。 

 

さらに、この割合と心理カウンセリングの検索結果を考えると、心理カウンセリングの利用者は、5%…いやなんなら1%程度しかいないのではないでしょうか。

 

じゃあ海外ドラマに出てきたアメリカの例は、副大統領という要職に携わる人だから受けていた、特別な事例なのか…? 

 

他にも筆者が観た『恋するベーカリー』という映画で、元夫との関係に悩む主人公が、日常的にカウンセリングを受けるシーンが描かれていました。

 

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アメリカでの心理カウンセリングの利用率は30~40%程度と聞いたこともあります。

 

ちゃんとした場所を選べば、セルフケアとして非常に有効なアプローチの一つだと思いますが、なかなか認知されていなかったり、されていても精神疾患を抱える人だけが行く場所だと思われているのかもしれません。

(まあ、それ以前にメンタルヘルスには配慮が必要だという認識が根付いていないの当然ですね…)

 

 

いろいろ調べてみると、ネットで受けられる心理カウンセリングなどもあるようですし、選択肢は意外とたくさんあります。

 

メンタルヘルスの予防的ケアの選択肢が広がることを願って、今後それらもご紹介していきたいと思います。