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準の、心はたしなむ程度です

メンタルヘルスィ~を目指す人を応援するブログ

~心の処方箋~映画『沈黙‐サイレンス‐』レビュー

時間の長さ×宗教弾圧の話なので心が元気な時に観てね(笑)

 

こんにちは、準です。 

 

先日、映画『沈黙』を観てきました!

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 出典元:映画.com

友人が舞台挨拶に当選し、誘ってくれたのですが、仕事の都合がつかず断念していたので、念願の鑑賞でした。

(なんとか抜け出す方法を探したのですが、どうしても無理でした。笑)

 

監督:マーティン・スコセッシ

原作:遠藤周作の小説『沈黙』

キャスト:アンドリュー・ガーフィール、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソン窪塚洋介、など

製作年:2016年

上映時間:162分

 

この上映時間見ちゃうと、ながぁ~っ!となってしまいますよね…。

しかも、日本での宗教弾圧が題材なので、話題になっているとは知りつつも、内容の重さに腰が引けている人は多いかと思います。

 

得意不得意が分かれる映画であることは確かです。

2時間半かけて、苦しいシーンを見ながら宣教師が転ぶ(=棄教する)かどうかを見届けるので、楽しい!てわけでもないです。

 

とはいえ、宗教弾圧が題材になっていながらも、人間の普遍的なあり方や心の持ち方について考えさせられる作品ですので、ここで取り上げたいと思います。

 

心が元気なうちに観ておいてほしい作品、という注釈をつけさせていただきます。笑

 

 

ストーリーの舞台は17世紀、江戸時代の日本。

多くの宣教師に慕われ名高かったイエズス会司祭のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が、布教目的で渡った日本・長崎の地で行方不明になり、棄教したという噂まで舞い込みます。

噂を信じない2人の弟子ロドリゴとガルペは、フェレイラを救出すべく、マカオにいた日本人キチジロー(窪塚洋介)のガイドで長崎に潜伏し、弾圧におびえながらも信仰を続ける隠れ切支丹(キリシタン)達に匿われます。

しかし、次第に弾圧の手が回り、ついにはキチジローの裏切りによってロドリゴも幕府に囚われてしまいます。

 

長崎奉行の井上筑後守(イッセー尾形)は、ロドリゴ自らが棄教することで切支丹達の見本となり、彼らを苦しみから解放するよう迫ります。

大いなる信念によって救われると信じ続けてきた宣教師は、目の前で犠牲になっていく人々を目にしたとき、どのような決断を下すのか…。

 

といった感じの内容です。

 

俳優陣だけを見ると、

ロドリゴスパイダーマン役のアンドリュー

・ガルペ⇒スターウォーズのカイロ・レン役のアダム

・フェレイラ⇒スターウォーズのクワイ=ガン・ジン役のリーアム

 

が出演しているので、SFキャラが作品の垣根を越えて、師匠を助けに行くのかっ!!なんて興奮していましたが、最初から拷問シーンなので、すぐに興奮がへし折られました。笑

 

▽アンドリュー扮するスパイダーマン

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 出典元:映画.com

▽アダム扮するカイロ・レン

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 出典元:ciatr

▽リーアム扮するクワイ=ガン・ジン(右)

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 出典元:映画.com

『絶対的なもの』への耐性 

 

キリスト教を盲信する宣教師 vs 是が非でも禁教する幕府、と主張こそ対立するものの、どちらが正義でどちらが悪かという単純な感想を抱くことがないのが良さの一つだと思います。

見方によっては、盲信的な信仰と自国には根付かないと固執し排他的になることは、信じる対象が違うだけで構造自体は同じに映ります。

 

冒頭にも書いたこの映画の普遍性は、時代や環境に関わらず直面する大なり小なりのパラダイムシフトとの直面を描いているところにあるように思います。

 

宣教師ロドリゴたちにとってキリスト教がそうであったように、今まで信じていたことに対する絶対的な意識が強ければ強いほど、それを変えるということは至難の技ですし、心理的な抵抗感は大きくなります。

 

宗教でなくても、私たちは生活の中で無意識のうちに様々な『絶対的なもの』に遭遇しています。

この世に生まれてから育ててきてくれた親の教え、学校の先生の教え、大学に入学してからの環境などで培うこういう会社に就職すべきという考え、社会に就職してからも自由なようで社風や研修をで植えつけられる社会人とは『こうあるべき』という教え、上司の考え…。

 

人間は様々なことに影響を受け、物事を認識・判断するための尺度を形成していきますが、その都度従うことを求めてくるような考えや教えと出くわします

 

ただ、どれをとっても完璧な考えや本当の意味で絶対なものではないですし、これさえ従っておけば間違いない、などというものも存在しません。

その考えや教えも、心から自分のためを思ってはなたれたものであれば話は簡単なのですが、『あなたのため』という仮面を被った自己主張だったり、実利的に従ってほしいことだったりすることも結構ありますよね。

 

それらを絶対視すると、考えることから解放されるかもしれませんが、考える自由を失い、経済的、心身に危険が及ぶリスクもある、ということは頭の片隅に置いておいた方が良いと思います。

 

私も新卒で入社した大手事業会社で過ごした時間は、かなり宗教的な研修や上司の考えに触れることが多かったように思います。

 

入社間もなくして、新入社員同士でグループを組み、架空プロジェクトへのチャレンジを通して、仕事で身に付けるべき意識を学ぶというプログラムがありました。

部屋から出ていけ!!!出来が悪い!!などと、なぜかことあるごとに怒鳴り散らされ、みんなビックビク。

最後はその研修講師にプレゼンし、優しい言葉をかけられ女子はみんな泣いて終わり、という…笑

怒鳴り散らされ圧力をかけられることで、無意識のうちに目的というよりも従うべき教えを探し、それに忠実に従おうという意識が形成されていました。

他社に就職した友人から聞いても案外似たことをやっていたようです。笑

 

部署に配属になってからは、研修ほど極端なことはなかったですがちょっとした違和感のある出来事が少しずつ積みあがっていき、次第に感覚が鈍っていっていたのかもしれません。

 

当時はそこに違和感を覚える自分がダメなのかもしれないと感じ、転職活動を経て退職するときも、最後まで自分の判断に自信を持つことはありませんでした。

 

振り返ってみると、なんだあれが正しいと思ったんだろう…と不思議なくらいなのですが…。

 

実利的な都合のために、『絶対的なもの』という意識を植え付けられることって結構ありますし、時間が経ってしまうとその呪縛から逃れるのは結構大変です。

案外はじめに覚えた違和感が大事だったりもします

 

自分が何を望み、何は望まないかということを日頃考え続けることは、『絶対的なもの』の呪縛に掛かって操作されることの耐性形成になるかもしれません

 

『絶対的なもの』を選ばなくてもよい時代をかみしめたい

 

ところで、作中に登場する村人たちがなぜ身を危険に晒してまで踏絵拒んだのか不思議に思った人もいたのではないでしょうか。

自分なら踏んで身の安全を確保し、心の中で信じておけばよいではないか、と思った人がいるかもしれません。

 

映画に登場する宗教は、キリスト教といっても、偶像崇拝をするカトリックの方です。

原理としては、偶像は信仰の対象であり、踏んでもよいかどうかの解釈そのものは神職に就く人間のなかでも、相当上位の人間にしか認められなかったようです。

でも、その人物がいないので、どんなに心の中で信仰していても自分たちの判断で踏むと棄教になる、という袋小路に陥った結果、彼らは踏むことができなかった、という解釈を私は採用しています。

 

現世で苦しい想いをし、せめて死んだらあの世で苦しみから解放されるために必死で信仰してきたのに、踏んでそれがちゃらぱーになる、と言われたら、確かに踏めないかもしれませんよね…。 

 

実は、私は小学校時代を海外のカトリックスクールで過ごしています。

私がそうであるように、洗礼を受けていなくても入学は出来ました。(その学校初の日本人の生徒でしたが)

洗礼を受けていても、心の中で思うことが大切であって、行動規範のように忠実に気にする様子はあまりなく、信仰心の幅も認められているようでした。

仮に彼らに踏絵を要求し踏んだとしても、はい、あなた棄教です、ということにはならないでしょう。

 

カトリックが普及し、時代とともに信仰のありかたも変わった、ということでしょう。映画で描かれた時代に何を望み、何を望まないか考えて選択しろ、言っても犬も食わぬつまらない正論ですが、今柔軟な信仰や思想が許されている時代を生きられることはありがたいことです。

 

そんな時代に、誰かの実利のために操作されていたら勿体ない!笑

判断のつくうちに、そういったことへのリテラシーを高め、自分が何を望み、何を望まないのか考えておきたいところです

 

興味がある方、そして心に余裕がある方は、是非映画館にいって、様々な立場から人間のあり方、心のあり方を考えるきっかけにしてみるのもいいかもしれません。

 

以前、ホラーストーリーとして精神を患っているときに新興宗教の勧誘を受け、そっちに転びかけた友人の話を取り上げています。

是非こちらも合わせて読んでみてくださいね。

jyun-ct.hatenablog.com